この橋本病という病気は、その名のとおり、橋本 策(はしもと わたる)博士という日本人の方が、約100年も前に発見し、命名された病気で、慢性甲状腺炎とも呼ばれています。
この病気は、甲状腺の中にあるリンパ球が、自身の甲状腺にも関わらず、それを外的と認識してしまい、攻撃する事によって、甲状腺が慢性的に炎症を起こしてしまうというものです。これによって甲状腺全体が腫れあがって固くなり、次第に甲状腺ホルモンが不足してきます。この甲状腺ホルモンが不足すると、疲れやすくなり、体温が下がるため寒さに弱くなったり、声がかすれる、肌が荒れる、体全体がむくむなどの症状に加え、食欲が増えているわけでもないのに体重増加が見られたり、記憶力の低下によって物覚えが悪くなってしまうといったような、様々な、新陳代謝が低下している状態の、甲状腺機能低下症状がでます。なぜ、このようなことが起こってしまうのかということは、残念ながらまだ、解明されていませんが、遺伝性によるものが大きく関係しているといわれています。
治療法としては、起こる症状のほとんどの原因が甲状腺ホルモンの不足によるものなので、血液中の甲状腺ホルモンの量を正常に戻す必要があり、薬の投与によって不足した甲状腺ホルモンを補います。しかし、この橋本病というものは、病気というよりも生まれながらの体質に近いといえ、根治の難しい現在では薬の投与を障害続ける必要があります。また、食事で注意しなければならないのが、昆布の摂取です。
昆布にはヨードという成分が含まれていて、このヨードには、甲状腺機能低下症状を悪化させる成分が含まれているといわれているため、積極的な摂取はお勧めできません。しかし、この病気から甲状腺がんなどのほかの甲状腺の病気にかかる心配はほとんどなく、しっかりと薬の投与を続けていれば、健康体そのものの生活を送る事ができます。また、薬が妊娠や出産の際に幼児に影響する事もありませんので、その点も安心して良いといえるでしょう。