甲状腺がんの主な治療法は、外科手術による甲状腺の切除です。といっても、全ての甲状腺がんにこの甲状腺の切除という治療が当てはまるわけではなく、先ほどから少しずつ触れていますが、乳頭がんのような分化がんの場合、非常に進行が遅いものであり、何年間も経過を観察しているが、全く大きさが変わらないというものも、少なくないのです。そういったものに関しては、チラージンと呼ばれる、腫瘍を小さくする目的の薬を投与しながら、まず、がんが大きくならないかどうかを観察する必要があります。ですからいきなり、「甲状腺にがんが見つかりました、早急に甲状腺を切除しましょう」ということは、一部の未分化がんを除いてまずありません。
つまり多くの甲状腺がんは、チラーゼンの薬物投与以外に治療が必要ない場合が多いという意味で、それでも進行が見られるようながんに対して行われる主な治療法が甲状腺の切除ということになります。また、甲状腺の切除手術を行う場合には、それに加えて補助的な療法で、放射性ヨードを使った内照射療法とホルモン療法というものが行われる場合がありますが、甲状腺がん以外のがんの治療で良く聞くような、抗がん剤を使った化学療法や、放射線をあてるような治療は、ごく一部の甲状腺がんを除いて、ほとんど使われることはありません。